「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」感想


シリーズ史上最悪の興収をマークした前作(感想)のために全く期待していなかったのですが、意外や意外。いい意味で予想を裏切ってくれました。

副題となっている「新たなる希望」これへのオマージュだと思いますが、これにはたいした意味がなかった感じ。今回のメインは明らかに小栗旬演じる鳥飼刑事で、主人公サイドが完全に食われてます。もう青島その他を省いて彼を主人公にして一本とって欲しいくらいです。

ギャグパートの面でも、出るネタがことごとく滑っていた前作より遙かにまし。スリーアミーゴスが復活したり、戒名ネタなど定番のネタもあって爆笑しました。

逆に、定番だったのに今回そうでなかったのが、IT 技術への偏見と誤解にまつわるシーンです。今までの映画版では業界人にとっては失笑もののチープな PC・ネット描写が多く、それが最早批判されるレベルを超えて様式美ともなっていました。

今作ではこのような描写が一切排除されたのが新鮮です。「業界人」としてはこの変化には喜ぶべきなのでしょうが、インターネットのイの字も出てこないのですから逆に違和感を感じました。

他に気になったのは、「FINAL」と銘打ってる割には何にも決着が付いてないことです。まだ続編作るつもりなんですかね? でもこのキャスト集めるのはさすがにもう無理っぽいですよね?

雪乃さん(水野美紀)は後から無理矢理付け足したようなシーンにしか出ないし、青島(織田裕二)と室井さん(柳葉敏郎)が会話するシーンも極力削られている感じ。こういう制作側の内情が透けて見えると映画が心底楽しめないので困ったものです。

まとめ

気に入らない点(特に「バナナとバス」)はありますが、IT 技術への偏見に満ちたシーンがなくなり、シリアスとギャグのバランスが取れた今作は第一作に匹敵する名作と言えるでしょう。ファンなら見ておいて損ないですよ。

コメントを残す